アコヤ真珠 (Akoya Pearl)
日本が世界に誇る「アコヤ真珠」。 ジュエリーに欠かせない真珠の中でも、日本の四季が作り出す「アコヤ真珠」はその光沢、色合いが最も美しいと評価されています。
貝が作り出す、「天然の宝石」
真珠の中で、アコヤ貝によって生成された真珠を「アコヤ真珠」と言います。 日本のアコヤ真珠は、世界の養殖真珠の原点とも言われています。
アコヤ真珠は日本以外に中国などでも生産されていますが、日本特有の四季がもたらす海水温度の寒暖から美しい光沢を持つ真珠が生まれると言われ、日本産のアコヤ真珠は世界中で高い評価を得ています。
アコヤ真珠のサイズは2~10mm程度まで存在します。ジュエリーとしての定番サイズは6~8mmとされており、生産量が少ない10mmの美しい珠は大変希少です。
アコヤ真珠の歴史・言い伝え
日本産のアコヤ真珠が世界中を魅了
養殖真珠が登場するまでは、天然の真珠が世界中を魅了していました。 有名なエピソードはクレオパトラの着けていたイヤリング。当時世界最大の大きさの真珠だったようで、その価値は国を1つ買えるほどだったと伝えられています。
古くから天然真珠の中でも最も美しい真珠は「アコヤガイの真珠」でしたが、美しいアコヤ真珠が採れる産地は限られていました。中でもバーレーン近海は美しい真珠が採れる一大産地として世界中にバーレーン真珠が輸出されていました。一説によると、このバーレーンの真珠産業は紀元前2000年頃まで遡るとも言われています。
天然真珠の市場がピークを迎えたのは19世紀末から20世紀初頭までで、当時はダイヤモンドよりも高価だったそうです。その後、日本の養殖真珠の登場によって市場が大きく変わっていきました。
日本における真珠の歴史は古く、古事記、万葉集にもすでに真珠の記述がされていました。 「魏志倭人伝」にも邪馬台国が魏に真珠を送ったことが記されていたことから、少なくとも3世紀頃には日本で天然真珠が登場していたようです。
世界の装飾品市場で真珠が大きく注目されるようになり、日本においても真珠の親であるアコヤ貝は絶滅の危機に瀕していました。そして20世紀初頭には、日本は養殖真珠という新たな産業を生み出したのです。
養殖真珠は天然真珠よりも、形が良く美しいものを大量に供給することが可能になり、世界中の真珠市場における9割が日本産の養殖真珠になったと言われています。
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